2015.AUT-002

足に寄り添う、イタリアの靴づくり

スカルパ・ヒストリー

秋山を訪ねるとき、冬山に挑むとき。その足元がスカルパの靴で守られているなら、その一歩一歩はとても安心で、そして誇らしいものになるはずだ。

ブランド名のスカルパとは、イタリア語で「靴」の意味だが、加えてもともとは「イタリア・アゾロ山岳地方の靴製造会社連合」を意味するSociete Calzaturiera Asolana Riunita Pedemontana Anonimaの頭文字からもとられている。イタリアを靴の国と言わしめた靴づくりの土壌を、大切に守ってきた歴史的背景がブランド名からも見て取れるだろう。

70年を超える伝統をもつ、登山靴のマイスター集団であるスカルパは一貫して、独自の価値観でその水準を高いところに保ち続けている。たとえば、革靴に使用される革は入手の利便性やコストを重視しない。一枚のすぐれた皮革を得るために、元となる動物の産地や飼育過程までを吟味し、優秀な革加工業者の発掘までやる。靴を作る、すべての過程に責任を負う徹底した品質管理は、スカルパにとって第一の価値なのだ。この姿勢こそが、スキーブーツ・登山靴・クライミングシューズなどあらゆるアウトドアシューズにおいて、スカルパがトップブランドであり続けられる最大の要素だと言える。

徹底した品質管理が優れた登山靴を産み出し、登山家たちはスカルパの靴に熱い支持を寄せた。日本人初となる8,000m峰14座完全登頂を成し遂げたプロ登山家、竹内洋岳氏も長年スカルパのハイエンド登山靴を愛用する一人だ。数々の名アルピニストたちの足元を支えてきた本物の靴は、手仕事で丁寧に象られたフォルムをもち、足を包み込むような安心感をもたらしてくれる。

踵だけ見ても、スカルパの靴は「つくり」の違いが一目瞭然だ。巷によくあるそれなりの靴は、大きめで単純な造形の中に詰め物を入れて調節しているだけなので、後ろから見ると踵がずどんと直線的に落ちている。だが何度も革をならし足の形に寄り沿うよう象られ、丁寧に縫い合わされたスカルパの靴ならば、踵はセクシーな曲線を描くし、外から見ると意外なほど足がほっそりとスマートに見える。違いにハッとするはずだ。

代表的なライトトレッキングブーツ「キネシス」「ミトス」はその典型で、まるくて美しい踵のフォルム、押さえつけるわけではないのに足を無駄に動かさない適度なホールド感、軽快な歩き心地が、初心者からベテランまでをも魅了する。また今年の冬にデビューする「モンブランプロ」では足首まわりもさらに改善され、雪面にアイゼンを打ち込む際の脛への負担が軽減、よりアグレッシブに雪山を歩けるようになるだろう。

アウトドア、すなわち外で遊ぶということの第一歩は「歩く」ことだ。ならば、丁寧に作られた靴を大切に選んで、その一歩をもっと誇らしいものにしたい。素敵な場所には、恥ずかしくない良い靴でお邪魔したいものではないか。そんなふうに、大自然そのものや自然を愛してきたカルチャーへの敬意にもつながる、品格をも湛えた登山靴、それがスカルパなのだ。

しなやかな人工皮革のアッパーと、見た目よりずっとゆとりがありつつも、しっかりと足にフィットするラストが特徴。日帰り登山なら、この一足があればどこへだって歩いて行けるだろう。【キネシスMF GTX】

 

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