2017.SPR-005

ジャパニーズ・スタイル・ なむちぇばざ~る。

日本で楽しむアウトドアのかたち

ナムチェバザールの店頭で、近頃よく見かけるTシャツがある。スタッフもユニフォームとして愛用中の軽量速乾Tだが、なんとなく和の雰囲気が目を引いている。
浮世絵調の和柄アイテムだが、その絵柄をよく見てみると、江戸っ子っぽい人物たちが最新スタイルをまとってアクティビティに興じているのが分かる。

手前の山道からふと道を見渡す人物の、長旅装束は最新のトレッキング装備。グレゴリーやオスプレーのようなフィット感抜群のザックを背負い、手には長杖ならぬトレッキングポール。ブラックダイヤモンドか、はたまたレキだろうか。街道をその姿で往けば、和風トレイルウォーキングの道すがら、旅の話も花咲くはずだ。

二人の視線の先を走っているのは、飛脚かと思ったらトレイルランナーだ。驚異的な脚力を誇った当時の飛脚は、軽量化のため裸に近いスタイルで往来を駆け抜けていたというが、当時にこんな快適パックがあったらどれだけ荷物の運搬が楽だったことか。

脇の崖ではひとり、ちょんまげクライマーが斜面に挑み、またそのもっと奥手、憩いの岸辺で暖を取る人は、最新のソロ用テントの傍らに佇む。人の往来が管理され、自由な楽しみは制限されていたらしい江戸の世だが、こんな装備があったなら我慢もできず、人は様々にアクティビティへと飛び出して行ったのではないだろうか。

奥手にそびえるは、ナムチェバザールのロゴを象った高い峰と、輝く星。日本ではヒマラヤのような標高は望めないが、平らな国の江戸っ子たちには、山はこのくらい遥かなものに見えていただろう。

原画はナムチェバザールスタッフによる描き下ろしで、日本という地でのアクティビティの楽しみ方を伝える戯画として制作された。はるか昔から自然を楽しみ、たまに許された旅を満喫してきた、わたしたち日本人。かつての彼らが今の道具を目にしたら、どれほど歩いて、どこまで楽しんだだろうか。わたしたちはこれから未来の道具で、どんなふうにこの国の自然を楽しんでいくのだろうか。

そんな夢想と理想を込めた図柄は、和の色をベースとした3色展開。同柄の手ぬぐいも近日リリースされる予定だ。揃えて日本のアウトドアの来し方行く末に、思いを馳せたい。

富獄百景ならぬ、ナムチェアウトドア情景。着る前によく見てみると、面白い発見があるかも。3色展開。

炎のやさしさを手仕事で伝える伝道師。前のページ

常に、ためらわない。 新しくなり続ける89歳。次のページ

ピックアップ記事

  1. 補給食が教えてくれた、自分自身のからだとの対話。
  2. 掌に宿る、消えない炎。
  3. 憧れが詰まった『とんがりテント』に泊まる秋。
  4. フーディニウェア
  5. イヴォン・シュイナードの魂を継ぐ『道具屋』

関連記事

  1. ARC'TERYX

    アークテリクス NEWアロー

    アローたちせいぞろいアローシリーズ、そのカッコよさについて…

  2. CAMPING

    ノースフェイス キッズアイテム

    元気ウェアに衣替えうすぐ「こどもの日」だし、そうでなくても元…

  3. CAMPING

    すぐに使いたくなるワンパック

    アウトドアでご飯が食べたい、あたたかい飲み物がほしい。でもどうやって…

  4. CAMPING

    感謝の気持ちが詰まったギア

    スノーピークが毎年、春と秋に開催するキャンプのお祭り「雪峰祭」。今年…

  5. CAMPING

    美味しさを外に連れていく

    「おいしい」って漢字だと、「美しい味」って書く。日本語はほんとに、意…

  6. 2016.SPR-003

    都市に生きる フロンティアスピリット

    都市のノースフェイス「アンリミテッド」ラインわたしたちは都市に生き…

最近の記事

Topics

  1. みんなで一緒にレトロX
  2. 今年ならではの小物選び
  3. 満たされる時間”ヒュッゲ”
  4. 遠くに行かない日のバッグ
  5. 寒いならDAS、間違いない
  1. 2017.AUT-006

    掌に宿る、消えない炎。
  2. 2017.AUT-006

    家族の手触り。
  3. 2017.AUT-006

    アウトドアの未来を守る
  4. CAMPING

    デナリを着こなす
  5. 2016.SPR-003

    リブート・サレワ
PAGE TOP