スマートウールの羊毛学
ウールの秘密
ウールがあたたかいなどというのは今さら説明の必要もなく、あのもこもことした羊たちの姿を見るだけで充分だろう。さぞ夏は暑かろうと思われる彼らの姿だが、当の本人たちはいつも涼しい顔をしている。
実は、そこにはウールのもつ秘密があったのだ。
ウールは彼ら羊の体毛であり、我々人間の頭髪と同様の「生き物の毛」だ。
構造は我々の頭髪とよく似ており、一般にキューティクルと呼ばれるうろこ状の組織が、ウール一本ずつの表面も覆っている。このうろこが大きなポイントで、表面で開閉することで水分を取り込んだり吐き出したりする。
うろこの表面は水をはじく力が非常に強く、うろこが閉じているとき、ウールは強力な撥水力を発揮する。一方で、ウールの内部は水分をよく吸収するので、うろこが開くと今度は給水機能がはたらく。撥水力と給水力という相反する機能を、何のコーティングをなされることなくもとから備えており、この二つの力によって、衣服内の湿度と温度を一定に保つのだ。
メリノウールの力を借りよう
除湿と温度管理ができる、いわば「天然のエアコン」をまとっていることになる羊たちは、確かに夏場でもクールな顔をしているわけだ。
中でも、メリノ種が生み出すメリノウールは細くしなやかな繊維で、湿度・温度調節や防臭の力まで最高品質。スマートウールが採用するメリノウールを生み出すのは、ニュージーランドの契約農場で厳しい暑さから凍えるような寒さまで、変化に富んだ気候を乗り越えてきた羊たち。
激しい環境変化の下でも快適に過ごせるよう、羊たちは長年をかけて、夏涼しく冬あたたかいよう進化を遂げてきた。その力を少しだけおすそ分けしてもらって、自然な力で私たちも快適をコントロールする。
この秋新しくなるPhDソックスシリーズは、そんなメリノウールを惜しげもなく配合したうえで、縫い目がなくごろつき感もないシームレスのつま先や、更に快適な水分コントロールができるベントメッシュなどを備え、適度なクッションで長く歩く足を守ってくれる。
自然の力で、自然を歩く。この助けがあれば、長く歩いても何日も着替えられなくても、あの羊たちのように、涼しい顔をしていられるんじゃないだろうか。
分厚いソックスを2枚重ねて履くなんて無作法はもう不要。最新メリノウールソックスは、ほどよい厚みで高いフィット感と適度なクッション性、そしてタフネスを備えています。