先鋭的チャレンジをやめないスポルティバ
スポルティバの商標としてのスタートは1928年。
イタリア山麓で靴工場が創業し、そのまま現在までずっと、豊かな自然に囲まれた自社工場から靴を送り出している。老舗の部類に入るブランドだが、スポルティバが目を引くのは、常に革新的で先鋭的なその姿勢だ。
毎年のように、その靴には惜しげもなく新しい技術が投じられる。
少し高い山で、いかにも経験豊富そうなガイド風の人たちが特徴的な黄色いラインの入るちょっと変わった靴を履いているのを見かけると思うが、それはスポルティバの靴と見て間違いないだろう。それだけその技術力には高い信頼があるからだ。
登山靴で言えば、足首を動かせるのに守れる、夢のような3Dフレックスシステム。軽くても堅牢性を得たいがために、プラスチックをアッパーにコーティングしてしまったサーモテックインジェクション技術。通気性が足りないと感じれば、ハニカムセルを圧着一体化して強度と通気性を両立させるナノセル・テクノロジーを開発する。足裏からも蒸れを排出する画期的なゴアテックスサラウンドをいち早く採用したのもスポルティバだった。
さらに、アッパーにハニカムガードを搭載した最新鋭モデル「トランゴタワーGTX」がこの春限定店舗で登場する。ソールに薄型のキューブソールを採用し、軽量化かつグリップ力アップに成功。ハニカム構造の強力ファブリックを使用したアッパーで耐摩耗性を高めた、とかくスマートで堅牢なライトアルパインモデルは非常に魅力的だ。
クライミングでもスポルティバの信頼は絶大で、裸足感覚が冴えるNO-EDGEコンセプト、エッジなしのぴったりシューズは世界のトップクライマーたちに愛用されている。
中でも最も愛される定番モデル「ミウラ」の発売20周年を記念して、こちらも限定モデルとして「ミウラXX」がリリースされた。P3システムで維持される美しいダウントウのラインはパフォーマンスを安定させ、ヒールはぶれることなく小さなホールドもしっかりとらえる。かつてない足の包み込み感、裸足であるかのように足のすべてを使えて、しかし裸足よりはるかに力を入れられる。世界的クライマーであるアダム・オンドラのお墨付き、シグネチャーモデルだというのだから、注目せずにはいられない。
スポルティバは何もためらわない。そんな夢みたいなものを作るのは無理、何かを諦めな、とは決して言わない。どんな無茶な夢でも攻めの技術力で実現させる、欲しいから。
なんて純粋な、若者のような、そんなアグレッシブさを備えた、老舗の快進撃はこうして続いていく。
ボディすべてに今のスポルティバがぎっしり詰まった、少し先の未来を往くこの一足。絶対に手にいれたくなる。
タングには、アダム・オンドラがミウラXXを用いて完登したルートChange98+の証が彼の字で記されている。この最上級の履き心地を味わったらもう、ほかのシューズでは登れないだろう。