身近なところの貴重な環境
100マイル(160km)にわたる大自然を巡る広大な旅を、この茨城で楽しめると言ったら驚かれるでしょうか。
私たちの生きるこの土地は、けして高い山や雄大な景色に恵まれているわけではありませんが、海岸から水辺、岩場や森など多様な変化に富んだ自然が、思い立ったら遊びに行けるほどの近いところに広がっています。
袋田の滝や竜神峡、そして花貫渓谷、日立の海岸線。これら県北の観光名所と、その間を埋めるように連なる豊かな里山をトレイルで繋げるだけで、国内でも稀なロングトレイルルートになるのです。ひとつの県内で、100マイルもの旅路を自然と共に歩き走れるなんて贅沢は、なかなか他では味わえないでしょう。そこには地元の私たちもはっとさせられるような、鮮烈な自然体験が待っているはずです。
さらに身近なところ、ナムチェバザール本社のある水戸には、世界第二位の規模を誇る都市型公園の偕楽園公園があります。日本三名園のひとつとして名高い偕楽園は徳川家によって整備されましたが、千波湖を望む水辺環境を愛し、都市生活の中でも様々な世代が分け隔てなく身近な自然に親しむというスタイルは、江戸の昔から私たちの間に広く深く受け継がれているのです。
私を育んだこの土地、そして思想は、尊い自然と別たれることなく密に寄り沿っています。環境を思い、大地に遊ぶことは、私にとって呼吸をするようにナチュラルなことであり、また替えることのできない価値をもっているのです。
等しく誰のとなりにもある、すぐそばの尊いものに気づいてほしい。100マイルレースの開催計画や、水辺環境保全のためのNPO活動、そして何より、ナムチェバザールという存在を通じて、私はこの思いをお伝えしたいと強く願っております。